Connor Burrowes: Background and Early Years

 まずはBurrowes家の音楽のルーツや、Connorの小さい頃からの並外れた才能を紹介します。
 Connorのお父様、Simonさんは6人兄弟の長男で、一家は1950年代までアイルランドのダブリンに住んでいましたが、60年代に入って北アイルランドに移ったそうです。Simonさんの兄弟は皆、成長していく中で様々な聖歌隊で歌って過ごしており、Connorの叔父、Davidさんはカンタベリー大聖堂の聖歌隊員でした。彼はその後、ケンブリッジのGonville & Caius Collegeに進んで聖歌隊奨学生となり、現在はプロのチェロ奏者になっています。BACの“In Paradisum”で、チェリストを務めたことでも知られています(特にAqnus Deiでのチェロの音色が素晴らしい!)。最近まで彼は、セントポール大聖堂聖歌隊でバスとして歌っていたそうです。
 また、Connorの叔母Vanessaさんは、ダブリンのTrinity Collegeで音楽を専攻してその学位を取得し、Connorの叔父Nickは、ベルファスト大聖堂でテノールとして歌っているなど、皆それぞれ音楽に深く関わっています。

 Connorの祖父、Alfledさん(Simonさんの父)は生涯を通して音楽家であり、若い頃は優れたトレブルであったとのことです。彼の主な仕事は様々な学校での音楽監督でしたが、特に教会音楽に強い情熱を燃やし、50年間クワイア・マスターとオルガニストを務めました。また、彼は10年間ラジオのクラシック音楽番組を担当し、Irish Times紙の音楽担当の記者でもあったそうです。
 また、Alfredさんの弟はピアノとドラムを演奏する熟達したジャズ奏者でした。彼らの音楽の才能は母方(Simonさんの祖母)の家族から来ているようで、彼女は優れたピアニストであったし、彼女の弟は作曲家だったとのことです。Simonさんや彼の兄弟姉妹が育っていく中で、いつも家の中に音楽があふれており、Simonさんも学校で音楽を選択し、オーボエやピアノを演奏していました。
 こう聞いてくると、Connorの才能はそう成るべくして授かったものなのだなと納得させられました。また、このように音楽にあふれた恵まれた環境が、Connorの才能を伸ばす大きな助けとなったであろうことは、言うまでもありませんね。
 しかし、Connorの母方(Suzyさん)の方では、それほど音楽に関わっていないようです。Suzyさんだけではなく彼女の兄弟姉妹も、音楽とは縁がなかったようですが、Suzyさんのお父様だけは大変美しいtreble voiceの持ち主だったそうで、彼は聖歌隊や学校で歌っていたとのことです。

 さて、ここからはConnor自身についての話になります。Connorは1983年3月13日(日)に生まれました。Connorはなんと
4歳までには、歌のメロディーと歌詞をたちまちのうちに覚えられるようになっていたらしいです。5歳のときには、Simonさんが傍らでピアノを弾きながら童謡を歌っているのを聴いて、そのまま覚えてリコーダーで演奏していたというから驚きです!Connorは正しい音程をつかむことに大変優れた能力をもっていて、非常に正確な演奏をすることができたということです。
 Connorは地区の教会、すなわちHarrowのSt. Mary’s 教会の聖歌隊に参加しました。この協会には、少年のみの聖歌隊の指揮に非常に力を入れているクワイア・マスターがいたからだそうです。Connorはわずか5歳半でしたが、すぐに豊かな高音を出せるようになり、また、彼の正確な音程は常に素晴らしいものだったそうです。Connorの正確な音程は、こんなに小さな頃からのものだったのですね。
 Connorは7歳までSimonさんにピアノを習いましたが、その後は彼の後見人であるCathy Dubois女史に師事しました。Cathy Dubois女史は、後にBACのレコーディングでピアニストを務めた方です。

 この頃にはSimonさんとSuzyさんには、Connorが音楽の才能に大変恵まれ、とりわけ歌、ピアノ、リコーダーに優れていることがわかってきました。彼は特に難しい楽曲を演奏したわけではありませんでしたが、
彼の演奏は全てにおいて完璧だったそうです。彼は演奏のレベルにとてもこだわり、間違うことを嫌っていたとのことです。Connorの歌う曲は、音程・トリル・発音など全てにおいて正確だなあとは思っていましたが、こんな小さな頃から自分の演奏にこだわり、完璧を求めていたとは驚きです。才能ももちろんあるとは思いますが、きっと相当な努力もしていたのでしょう。Connorの性格を少し知ることができたようで、何だか嬉しいです(笑)。
 SimonさんはConnorには彼の音楽、特に歌唱力を成長させる機会が必要だと判断しました。そして、そうすることに最も適した場所は、あるイギリスの有名な大聖堂だったのです。

 そこでConnorが7歳半のとき、彼の両親はセントポール大聖堂聖歌隊のオーディションを受けさせました。ほとんどの有名な大聖堂と同じように、セントポールでは聖歌隊員は寄宿生となりそこに住むことになっていました。なぜセントポールを選んだのか、理由は2つありました。1つは、このときJohn Scott氏がセントポールの音楽監督であり、彼はすでにクワイア・マスターとして高い評価を受けていたからだそうです。また、2つ目は家族がロンドンにとても近い場所に住んでいたので、短時間ですぐに彼を訪れることができるということが極めて重要な理由だったということです。



  

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